心臓・血管の専門医が解説 夏の正しい「塩分」の取り方

取り過ぎは要注意(C)日刊ゲンダイ

 脱水症状のメカニズムには塩分不足が関与している。そのため、脱水防止にはとにかく塩分補給に頼るという考えが生じやすい。しかし、前述した理由から、それは誤解だ。脱水症状の予防には「塩分に頼るのではなく、水分を取り、食事で塩分以外のミネラルを補給することが大切」と山下所長は強調する。

 スポーツ選手、屋外での作業従事者を除き、また急に大量の汗をかいたとき以外は、夏季でも、塩分を多めに取る必要はないそうだ。

 もうひとつ誤解がある。一度に大量の水分を取るのはNGだという。

「健康な人でも、腎臓が尿にして排出できないほどの大量の水分を取ると、今度は血液の中の塩分(ナトリウム)の濃度が低くなりすぎて、重い症状を起こすことがあるのです」

 このため、水分補給はこまめに取るのがいい。

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