Dr.中川 がんサバイバーの知恵

たいめいけん三代目は9月下旬に 現役世代のがん手術日は?

茂出木浩司さん(左)と小木博明さん(C)日刊ゲンダイ

 65歳までにがんに罹患する可能性は15%。定年延長の流れの中、その可能性を75歳までで計算すると、3人に1人に増えます。今後、現役世代ががんにかかりやすくなりますから、目先の仕事との兼ね合いで手術日を調整することは珍しくありません。

 その場合、重要な要素が、がんの増大スピードです。たとえば、肺がんは3センチを超えると、ステージ2になります。茂出木さんはステージ1で、腫瘍の大きさは「2センチほど」。「ほど」の解釈が微妙ですが、一般にステージ1の十分早期に見つかった患者さんが、3カ月に1回くらいCT検査を受けながら、仕事にメドをつけ、手術日のタイミングを探ることはあります。

 そのタイミングを計る上での重要な条件が増大傾向が認められないことなのです。

 増大のスピードが速ければ、手遅れになるリスクがありますから、一般に3カ月に1回のフォロー検査で手術日を探るのは、人間ドックなど定期的な検診で見つかった早期がんに限られます。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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