「見え方」は認知症に関連 度の合わないメガネに要注意

度の合わないメガネにも注意(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

「介護やリハビリの世界で一般的に使われている言葉にADLとIADLがあります。前者は日常生活動作と訳され、起床から移動、食事、着替え、トイレ、入浴など日常生活で発生する動作を指します。後者は日常的な動作のなかでさらに複雑で、頭を使う、買い物や服薬管理、電話などを指します。目の見え方が悪い人は、IADLはもちろん、ADLが悪くなる。足元が見えづらいので階段を下りる速度が目に見えて遅くなり、歩く速度も遅くなる。転倒リスクも高くなります。自宅などに引きこもりがちになり、日常生活の活動量が低下し、認知機能が低下するという悪循環に陥ると考えられるからです」

 4000人を対象とした米国のコホート(ある時点で研究対象とする病気にかかっていない人を大勢集め、将来にわたって長期間観察し追跡を続けることで、ある要因の有無が、病気の発生または予防に関係しているかを調査する)研究によると、認知機能が低く視力障害のある人は、認知機能が低いだけの人と比べて、IADL障害を起こすリスクが2倍以上高かった。

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