病気を近づけない体のメンテナンス

肌<上>専門医が教えるマスクの肌トラブル回避法

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 皮膚の表皮は一番下にある「基底層」で新しい細胞が作り出され、「有棘層」「顆粒層」と徐々に押し上げられ、最後(一番表面)は死んだ細胞の「角質細胞」がウロコのように重なり合った「角質層」になる。角質細胞は「セラミド」という保湿物質を含む細胞間脂質によってつながっているが、やがてアカやフケとして体から離れていく。

 そして角質層の表面は、皮脂腺から分泌される皮脂と汗が混じった「皮脂膜」に覆われている。

 皮膚のバリアー機能で最も大きな役割を果たしているのが、この皮脂膜と角質層だ。皮膚の水分の蒸散を防いでうるおいを保ち、細菌やアレルゲンなどの刺激物をはね返してくれている。

 しかし、皮脂膜は洗顔すれば洗い流されてしまう。すると角質層が乾きやすくなり、皮膚から水分が蒸散してバリアーが低下するのだ。肌の保湿を行うということは、角質層に水分やセラミドを与えて蒸散を防ぐこと。

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