時間栄養学と旬の食材

体内時計を動かしづらい炭水化物を含むカボチャは夕飯向き

油と一緒に取るとβカロテンの吸収率がアップ
油と一緒に取るとβカロテンの吸収率がアップ

 冬至にカボチャを食べると風邪をひかないとよくいわれています。

 カボチャは輸入物も多いですが、収穫時期は夏から始まり、旬は今。

 夏にとれたカボチャを冬至に食べる習慣があるのは、夏の時期に完熟させ、野菜がとれない冬に備え長期間保存していたからです。

 収穫後、約40日を超えた熟成カボチャは、水分が抜けて糖質が増えるため甘味が強いといわれます。熟成カボチャの見分け方は、へたの部分が乾燥し、縦にヒビがあるかどうか。カットしている場合は、ごつごつして色が濃く、種の部分がしっかりと熟しているものがおすすめです。

 スーパーでよく並ぶ西洋カボチャ100グラム当たりのエネルギーは91キロカロリー、糖質量17.1グラム、食物繊維が3.5グラムです。ごはん100グラムのエネルギーが168キロカロリー、糖質量36.8グラムなので、カボチャは主食にするとエネルギーも糖質量もごはんより低くできることがわかります。食物繊維も多く、体内時計を動かしづらい炭水化物と報告されるので、夕飯向きの食材であるといえるでしょう。ごはんの代わりの夕食カボチャ、ぜひ試してみてください。

 カボチャをさらに甘く食べるためには、ゆっくり加熱するとでんぷんが糖質に変わりやすくなります。ただ、甘味が少なくてもいいからできるだけ血糖値を上昇させたくないなという場合は、電子レンジで短時間加熱するのがよいでしょう。

 カボチャに含まれるβカロテンは目の神経伝達物質に変化する、免疫力アップに役立つといわれています。油と一緒に摂取すると吸収率が高まるので、加熱してマヨネーズと和えてサラダにしたり、天ぷらなどの調理法が効果的です。

 皮には実の約2倍のβカロテンや抗酸化物質であるポリフェノールが豊富に含まれています。ワタは甘味が一番強い部分なので、あまり取り過ぎずに一緒に煮るのが◎。

 種には体内で合成できない不飽和脂肪酸やビタミン、ミネラル類が豊富です。フライパンでカリカリになるまで炒(い)り、塩コショウで味を調えれば、おつまみにもなります。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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