がんに強い「ハイパーサーミア療法」は効果的で懐にも優しい

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 温熱療法ががん細胞に効く理由はそれだけではない。細胞がエネルギーをつくるには2つの選択肢がある。細胞の周囲にある酸素を使うやり方と、酸素を使わないやり方だ。がん細胞は周囲の酸素の有無にかかわらず酸素を使わないやり方を選択する。そのためエネルギーをたくさんつくるには多くのグルコースの取り込みが必要で、結果として乳酸が増えてがん細胞は酸性化していく。酸性になればなるほど細胞は熱に弱くなるという。

「しかも、放射線や抗がん剤でがん細胞のDNA鎖の切断に成功しても、がん細胞は多くのDNA鎖修復酵素を分泌して生き延びようとします。温熱はそれを阻害します。つまり、温熱療法は放射線や抗がん剤の感受性強化の働きもあるのです」

■腫瘍が大きければ大きいほど効果的

 ほかにも、放射線と温熱ではがん細胞のどの時点での細胞周期で効くのかが異なる。そのため、併用することでがん細胞によりダメージを与えることができる。抗がん剤で活性化する転写因子を抑制することでがん細胞の抵抗性を抑えることができる。

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