自由診療のPCR検査は2万~4万超が相場…精度に差はある?

検体の採取には慣れや技術が必要(C)NNA/共同通信イメージズ

 公費による行政検査では1回にかかる費用は1万8000円で、自己負担分は医療機関の初診料などで2000円程度で済む。

 一方、保険が適用されない自由診療でPCR検査を受ける場合、2万~4万円超の費用が相場になっている。

 決して安いとはいえない金額だけに、せっかく検査するなら正しく受けたい。

■どの医療機関で受けても問題ない?

 PCR検査は鼻の奥や喉、唾液から検体を採取して、目的のウイルスだけが持つ特定の遺伝子を増幅させて感染の有無を調べる方法だ。1986年に発明されて以来、遺伝子研究では欠かせない技術で、基礎研究はもちろん、感染症の診断や科学捜査に至るまで幅広く活用されている。

「遺伝子を増幅させるには専用の試薬や機器が必要で、検体は設備が整った医療機関や検査施設に運ばれます。登場から30年以上経っていることもあって、検体から遺伝子を抽出したり、増幅させるための試薬や専用機器などの検査に使われる機材は、一定の水準にあるものが揃っています。ですから、どの医療機関でPCR検査を受けても、精度に大きな差はありません」(岡山大学病院薬剤部の神崎浩孝氏)

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