「転んだ程度で骨折」寝たきりや死亡リスクのアップを招く

まずは自分の骨の状態を知ること(写真はイメージ)

■骨のもろさに気づいていない人が多い

 骨粗しょう症は、骨密度と骨の質が低下し、骨がもろくなった状態。骨粗しょう症の骨折は最初は手首で起こりやすく、椎体、腕、大腿骨近位部(脚の付け根)と続く。研究では、一度骨折を起こすと1年以内に2次骨折を起こすケースが多く、大腿骨近位部の骨折を起こした場合、ほかの骨折と比べて死亡率が6~7倍高いとの結果も出ている。

「背中をちょっと押したら倒れてすぐに骨折、というような人もいます。ところが、1300万人ともいわれる骨粗しょう症の患者さんのうち、治療を受けているのは20~25%程度。自覚していない人も珍しくありません」

 加齢で誰もが骨の強度は落ちる。骨の強さは親から遺伝するので、親が骨粗しょう症による骨折経験者の場合、自分も骨が弱い可能性がある。また女性は、閉経後、一気に骨の脆弱化が進む。喫煙や大量飲酒の習慣がある人も骨粗しょう症になりやすく、進行しやすい。これらに該当する場合、50代くらいから骨粗しょう症を覚悟した方がいい。

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