「死ぬまで元気」を目指す

足の小指をタンスの角に無意識にぶつけてしまうのはなぜ?

「手を見ないで、両手の指を合わせる」のはなかなか難しい
「手を見ないで、両手の指を合わせる」のはなかなか難しい(C)日刊ゲンダイ

 コロナ禍の中、外出を極力避け、自粛を続けている人はまだまだ多いだろう。そんな生活の中で増えているのが、家でテレビを見る時間ではないだろうか。

 「テレビ鑑賞中も簡単に筋力アップができるんですよ。ぼーっとテレビをただ見ているだけじゃ、もったいない!」と話すのは、アスレチックトレーナーの三田貴史さん(以下同)。テレビを見ながら頑張らずにできる筋力アップ方法を教えてもらった。

「膝と膝の間にクッションやバスタオルを巻いたものを挟み、ぐっと内ももに力をいれましょう。トイレットペーパーやキッチンペーパーを縦にして挟んでもOKです。10秒ぐらいぎゅっ―っと力を入れて挟んだら、ふーっと脱力をしてリラックス状態に。これを5回ほど繰り返す。あるいは、コマーシャルの度に行うのもいいでしょう。普段は鍛えづらい内もものトレーニングになります」

 内ももを鍛えると、骨盤機能も安定し、体のバランスが整う。さらに高い効果を狙うなら、椅子に座って足を床から浮かした状態でこの動作を行う。これによって腹筋も鍛えられる。

 もう一つ、三田さん自身がテレビを見ながらしょっちゅうやっている動作があるとのことで、そちらも教えてもらった。

 まず、片方の手を頭の横や肩の横など自分の好きなところにセットする。顔は正面に向けたまま、セットした手の方を見ずに、もう片方の手を両手の五本指がぴったりと合わさるように持って行く。

「手を見ないで、両手の指を合わせるのです。もし、指同士がピタリと合わずにずれてしまうようなら、自分の体の部位が正確にどこにあるか分かっていないということ。実はこれ、普段あまり自分の体を遣えていない人ほど、ずれてしまいがち。客観的に自分の体の形や位置を把握できてないということです」

 把握できていないと、どういうことが起きるのか。たとえば、誰もが一度は足の小指をタンスのかどにぶつけたことがあるだろう。あれは、脳が認識している足の指の位置と実際の位置に誤差があるために起こってしまうこと。ほかに、膝痛、腰痛など様々な体の不調につながることも。スポーツをやっている人の場合、パフォーマンスの低下や疲れやすさにもつながってしまう。ちなみに優秀なアスリートほど、一発でピタリと指同士が合うそう。いくつになってもスムーズに動く体でいるためには、客観的に自分の体の形や位置を把握できているに越したことはない。

 話を聞いたときには「合わない人なんているの?」と思っていた記者だが、実際にやってみると、これがまあ見事なまでに合わない。指と指を合わせるべく手を持っていっているはずなのに、なぜかセットした手の指の根元に、持って行ったほうの手の指が合わさってしまう。普段座りっぱなしで仕事をしていることが多く、運動不足で体を十分に使えていないことが影響しているのだろうか……。習慣化していると、ぴたりと合わさることが多くなるそうなので、テレビのコマーシャル中には意識してこの動作を行いたいものだ。

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