役に立つオモシロ医学論文

米研究論文 適度な飲酒は認知機能に良い影響をもたらすか

写真はイメージ

 飲酒量は時間経過とともに変化する可能性があり、当初は飲酒しなかった人でも、その後に飲酒量が増えることもあるでしょう。他方で、加齢とともに健康に対する関心が高まり、飲酒量が減ることもあります。したがって、この結果は必ずしも飲酒と認知機能の関係を適切に評価できているとはいえないかもしれません。

 また、本研究は長期的な認知機能に対する影響についての調査で、お酒を飲んだ直後では明らかな情報処理能力の低下を来すことでしょう。飲酒をしたら車の運転や危険な機械操作をしてはいけないことは言うまでもありません。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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