コロナ第2波に打ち勝つ最新知識

新型コロナとインフル 同時流行に備えてやっておくべきこと

写真はイメージ
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 新型コロナウイルスとインフルエンザのダブル感染が懸念される季節が近づいてきた。私たちはそれに備えて何をしなければならないのか?

「弘邦医院」(東京・葛西)の林雅之院長に聞いた。

「新型コロナとインフルエンザウイルスが互いに干渉して、インフルエンザが流行しないと予想する人もいます。確かに2019~20年シーズンのインフルエンザは例年に比べて少なかった。世界的に見てもインフルエンザの患者数は減少しています。しかし、インフルエンザとの複合感染が起きると死亡リスクは高まるのですから、高齢者、糖尿病など感染・重症化リスクの高い人はとくに早めにインフルエンザワクチンを打つ必要があります」

 今シーズンに供給されるインフルエンザワクチンの見込み量は約3178万本。昨年度(約2964万本)に比べて7%増加している。4価ワクチンに変更された15年以降、最大の供給量になる見通しだ。しかし、これは一度に各医療機関に供給されるわけではない。月単位で分散して供給される。例年10月のインフルエンザワクチン接種スタートからしばらくは入荷不足が続くのはこのためだ。

「今年は例年以上にインフルエンザワクチン接種希望者が増えるのは確実で政府も安定供給を例年以上に注視するでしょうから改善はされるでしょう。とはいえ、あらかじめ、通っている医療機関にインフルエンザワクチン接種が可能かどうかを含め接種時期を問い合わせておくべきでしょう」

 気になるのは、製造されたインフルエンザワクチンが対象とするウイルス株の予想が的中するかどうかだ。

「日本のインフルエンザワクチンはA型2株、B型2株で構成された4価ワクチン。どの株を選んで作るかは、原則として世界保健機関(WHO)が推奨する株の中から、期待される有効性並びにワクチンの供給可能量を踏まえたうえで決定します。今シーズンは4株のうち3株が交代し、うち2株は新規株です」

 もうひとつ確認しておきたいのが「かかりつけ医」だ。新型コロナ感染が疑われた際の相談先は、これまで保健所などが担ってきたが、早ければ10月以降はかかりつけ医など身近な医療機関が主体となる。保健所の負担を減らすためだ。

「感染が疑われる人はまず、『かかりつけ医』など身近な医療機関に電話相談して、どの医療機関を受診すればいいのかなどの指示を受けることとなります」

 自治体は、新型コロナとインフルエンザ両方の診療や、PCR検査よりも短時間で診断できる抗原簡易検査などが可能な医療機関を「診療・検査医療機関」に指定。新型コロナやインフルエンザの感染が疑われる人は、かかりつけ医などの身近な医療機関に電話相談し、そこが指定医療機関の受診の予約をする。そうでない場合は、紹介してもらうことになる。

「新型コロナとインフルエンザの同時流行となると医療機関によっては診療しないところも出てくるでしょう。そうなると患者さんは今までと同じように自由に医療機関を受診できなくなる可能性があります。そのとき適切なアドバイスを得るためにも今後は身近な医療機関との連携が大事になります。今のうちに自分のかかりつけ医を確認しておくことが大切です」

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