「オンコサーミア」とは?進行再発乳がん患者3割に効果

写真はイメージ(C)PIXTA


「ハイパーサーミアでは熱や空気の流れを乱さないような特殊な部屋が必要です。そして、患者さんは大きな機械の中で体を横たえるため、場所と経費がかかります。ところが、オンコサーミアはウォーターベッドの上に患者さんが横たわりその上に電磁波を流す電極がセットされます。がん細胞一個一個に電磁波の乱れが生じ、細胞ごとに効果が示されます。ハイパーサーミアは組織、がんの塊に照射するため、熱の伝わり方にむらがでる。そこが異なります」

 がん細胞だけに熱が発生するのは、細胞が整然と並んでいる正常組織と違って、がんは細胞の構造が不均一なためだ。がんに電磁波が当たると電磁波が散乱して熱が出る。一方正常な細胞は電磁波が通り抜けてしまうため熱が出ないのだという。

「30例ほどの臨床研究並びに文献を見ても明らかな副作用が見られた患者さんはいません。よく体を温めるなら温泉入ればいいじゃないか、と考える人がいますが、それだと体表から5~6ミリしか十分に温まりません。温泉が体に良いのはほかに温泉成分が体表から吸収されるからですが、温めるという面では体の奥底に潜むがんには十分な効果が得られないのです」

3 / 5 ページ

関連記事