「オンコサーミア」とは?進行再発乳がん患者3割に効果

写真はイメージ(C)PIXTA

■「乳がんはオンコサーミアに向いている」

 気になるのはその効果だ。長田准教授は進行再発乳がんの患者さん10人にオンコサーミアを行い、その結果を日本ハイパーサーミア学会第37回学術大会(9月12日~10月12日、オンライン)で報告している。

「乳がんは皮膚からの深度が10センチ以内と比較的浅く電磁波の効果が得やすこと、乳がんの患者さんが高齢化しつつあること、標準治療後も何度も治療できることなどから、乳がんはオンコサーミアに向いていると考えています」

 それによると、治療が週2回が7例、3回が3例で、平均治療回数は53回。10例中6例が抗がん剤や放射線との併用で行われ、そのうち2例で顕著な腫瘍縮小がみられ、1例が変わらず、3例が治療期間中に増悪した。本人の希望でオンコサーミア単独治療だった4例のうち1例は腫瘍が顕著に縮小、2例が変わらず、1例は増悪した。腫瘍の縮小がみられた3例のうち1例は20年間治療拒否した末にオンコサーミアだけを受けて根治手術が行えるまでに腫瘍が縮小した例で、手術後の再発は認められていないという。

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