みんなの眼科教室 教えて清澤先生

糖尿病が理由の眼科の要再検査ではどんな検査をするのか?

写真はイメージ(C)PIXTA

《ステップ1:糖尿病のリスクを知る》

 糖尿病の初期症状は見逃しやすいため、多くの人が何年もの間、前糖尿病または糖尿病に気づいていません。糖尿病眼合併症の予防と早期発見には、年に1回の包括的な眼科検査が重要です。糖尿病は目の奥の眼底にある小さな血管に影響を与えます。眼科医は、目の検査によって患者さんが症状を自覚するよりずっと前に異常を検出することができます。

《ステップ2:糖尿病性眼疾患の兆候を知る》

 糖尿病性眼症では無視できないほど深刻な状態になるまで自覚できるような兆候や症状が出ないことがあります。突然、視界のぼやけ、視野内に暗い点が出る、光の点滅が見える、浮遊物が増加する、暗所で見難くなる、といった症状が出て失明に至ることがあります。定期的に包括的な目の検査を受けることで兆候を捉え、治療を開始して失明に至るのを避けることができます。

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清澤源弘

清澤源弘

1953年、長野県生まれ。東北大学医学部卒、同大学院修了。86年、仏原子力庁、翌年に米ペンシルベニア大学並びにウイリス眼科病院に留学。92年、東京医科歯科大眼科助教授。2005-2021年清澤眼科院長。2021年11月自由が丘清澤眼科を新たに開院。日本眼科学会専門医、日本眼科医会学術部委員、日本神経眼科学会名誉会員など。

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