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「電話」が有効 病名の分からない不調を改善する方法は?

統合内科の工藤孝文氏
統合内科の工藤孝文氏(提供写真)

 コロナ自粛や長引くテレワークで、なんとなく心身の不調を感じることがある。どの科にかかればいいのかを知るために訪れるのが「統合内科」だ――。

 統合内科は、循環器・消化器などの区別もなく、総合で患者さんの問題点をみています。西洋医学と東洋医学を合わせたハイブリッド医療といえば分かりやすいかもしれません。私のところでは、西洋医学では診断がつかないような「自律神経失調症」や病名がつかない病気を対処しています。

 コロナ禍の自粛期間中に原因不明の不調に悩まされる方は少なくありません。発熱や痛みといった症状がなく、テレワークなどで人と話していないとか、自室にこもっていることが多いという場合、自律神経の乱れによる不調の可能性があります。

 愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシンの放出を促し、免疫力を高めるように伝えています。何をすればいいのか――。

 オキシトシンは、ハグやマッサージをするなど、昔はボディータッチが必要といわれていましたが、近年の研究によって「電話」でも出ることが分かっています。

 面白いのが「他者貢献ホルモン」と呼ばれ、マッサージをした方がされた方よりも、電話もかける側に多くのオキシトシンが出ることが分かっています。モヤモヤして不調を感じたら、家族や友人に電話をしてみると、自然と自律神経が整います。僕が患者さんにおすすめしているのが、抱き枕を抱いて電話することです。

 電話だけをかけるよりもオキシトシンが増えることが分かっています。つまり、人に触れているような感覚になるのです。

 コロナの家庭内感染対策による隔離にも効果的ですし、独居の高齢者にも伝えています。気分の落ち込みも解消し、コロナ鬱の対策にもなります。

 生活習慣としては、7時間睡眠と腸内環境を整えることが大事です。発酵食品のヨーグルトや納豆、食物繊維をしっかり取っていれば免疫細胞が整います。また、なるべく体が冷えるものは食べない。食べ物にも、陽性食物と陰性食物があって、寒いところで取れる野菜は体を温めるんですね。たとえばリンゴがおすすめです。70~80度のお湯で入れた緑茶とセットで取ると最適です。

▽工藤孝文(くどう・たかふみ) 内科医・糖尿病内科医・漢方医。福岡県みやま市出身。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、自身のクリニック「工藤内科」で地域医療に力を注いでいる。さまざまな医療現場で活躍するスーパードクターたちが出演の公式YouTubeチャンネル「SuperDoctors―名医のいる相談室―」では、「【内科医伝授】免疫力を高める!」をテーマに解説します。

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