「仮面高血圧」放置すると脳卒中や心筋梗塞リスクが2倍以上

朝と夜の家庭血圧測定が重要

 早朝高血圧では飲酒との関係も大きい。飲酒直後は血管が拡大し血圧が下がるが、それが寝ている間に上がっていき、起床直後の血圧を上げる。

「短時間作用型の薬で、朝の内服による薬効が翌朝までもたず、夜間から早朝の血圧管理が不十分になり、夜間高血圧、早朝高血圧を招いている可能性もあります」

 気が付きにくい仮面高血圧だが、放置による害は大きい。正常血圧の脳卒中や心筋梗塞の危険性を1とした場合、診察室血圧が正常でも仮面高血圧の人は2倍以上になるとの研究結果がある。

 また、「夜間血圧が20%超過度に下がる(A)」「夜間血圧が10~20%適度に下がる(B)」「夜間血圧が0~10%多少下がる(C)」「夜間血圧が上昇する(D)」の4タイプを比較した研究では、CとDの脳心血管死亡のリスクが高かった。Bを1とした場合、Aは0・96倍だったが、Cは2・56倍、Dは3・69倍、脳心血管死亡のリスクが高かった。

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