病気を近づけない体のメンテナンス

顎<上>歯科医の新常識「噛み合わせはいじらない方が良い」

写真はイメージ

 顎関節は下顎の骨の先端が、頭蓋骨の下側にある「下顎窩」というくぼみの中で回転したり、くぼみから前方に滑り出すことで、口を開けたり閉じたりすることができる。

 また、顎を動かすときに働く主な筋肉には、口を閉じるときに働く「閉口筋」と、口を開くときに働く「開口筋」がある。この顎関節や筋肉が耐えられる負担を超えたときに、顎関節症の症状が表れるのだ。

 顎関節症は、さまざまな寄与因子が積み重なり合って発症する。たとえば「顎のけが」「精神的なストレスや不安」「関節や筋肉の弱さ」「睡眠中の歯ぎしり」など。

 中でも最も強い寄与因子とされるのが、「TCH」と呼ばれる上下の歯を接触させ続ける習慣(クセ)だ。

 本来、上下の歯が接触する時間は「食べる」や「話す」などのときの瞬間的なもの。普通は上下の歯が接触している時間の合計は「1日20分程度」だという。噛み合わせの悪さが寄与因子として影響が少ないのは、そのためだ。

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