病気を近づけない体のメンテナンス

顎<上>歯科医の新常識「噛み合わせはいじらない方が良い」

写真はイメージ

「2000年ごろから、顎関節症に大きく影響する寄与因子を探る調査研究が進められてきた結果、見つかったのがTCHです。顎関節症の8割近くの患者さんは、このTCHを抱えています。TCHは上下の歯を軽く接触させている小さな力でも、長時間にわたって力がかかり続けていることで、関節や筋肉には大きな負担となり、血流を悪化させてしまうのです」

 パソコン作業をしていて、いつの間にか歯を食いしばっている人も多いのではないか。自分がTCHかどうか確認するには、唇を閉じて上下の歯を離した状態にする。無意識でいて10分後、歯を離していることに違和感があったり、上下の歯が接触していたらTCHの可能性が高い。

 顎関節症は、TCHのコントロールを基本にした寄与因子の管理と、リハビリトレーニングの2つのセルフケアで大半は改善するという。TCHのクセを治す方法は、ポストイットなどの「貼り紙」を使う。「歯を離す」などの文字やイラストを書いた貼り紙を、自宅や職場などの目につきやすい場所や物に10カ所以上貼る。TCHの“気づき”を促すのだ。

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