時間栄養学と旬の食材

鮭は「紅」がオススメ 朝食べると体内時計のリセットに役立つ

朝食べると体内時計をリセットしてくれる
朝食べると体内時計をリセットしてくれる

 鮭(さけ)にはさまざまな品種があります。日本で一般的なのは「白鮭」。特に種類名などが表示されず「鮭」とだけある場合は、たいていこの白鮭と思っていいでしょう。

 秋に市場や一般のスーパーに並ぶ秋鮭も白鮭がほとんどで、塩鮭や新巻き鮭、鮭フレークとして使われています。また、日本では天然のものが取れずほとんど養殖されている「銀鮭」、鮭の中でも脂質が低く流通するすべてが天然ものという「紅鮭」もよく見かけると思います。可食部100グラムあたりの脂質は、銀鮭では約13グラムなのに対して、紅鮭は約4.5グラム。白鮭はこれらのちょうど中間値くらいに当たります。

 鮭の脂に含まれるDHA、EPAは人間が生きていく上で欠かせない必須脂肪酸のひとつ。脂質の脂肪産生の抑制や脂肪酸を分解する働きがあり、私たちの実験でも肥満を抑制できることがわかっています。

 時間栄養学的にも朝食に摂取することで体内時計のリセットに役立ちます。さらに鮭に含まれるタンパク質も朝食向き!

 その他、アスタキサンチンは、ビタミンCの約6000倍という強力な抗酸化作用があります。紫外線から肌を守る働きや、眼精疲労や筋肉疲労を回復する効果もあるのです。赤みの強い紅鮭に多く含まれています。

 さらに、体内の糖と脂質を燃やしてくれる効果があるとされているビタミンB1、B2。発育促進や目の健康に役立つビタミンA、骨粗しょう症を予防するといわれるビタミンDも豊富です。

 その日の体調やお好みに合わせて、朝食の鮭をチョイスしてみてもいいかもしれません。

 塩鮭の場合、甘塩は塩分濃度3%程度、中辛は7%程度、辛口は10%以上に調整された塩水に漬けられて製造されるのが一般的です。ただし、厳密な規格があるわけではないので、あくまで目安になります。

 塩分が気になる場合や、買ってきたら塩辛かったという場合には、水の量に対して、塩分濃度1.5%程度の塩水に3時間ぐらい浸すと塩抜きができます。真水を使うと、鮭のうま味が逃げてしまうので気を付けましょう。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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