新型コロナでわかった不都合な真実

同期比5600人減…高齢者の循環器疾患死はなぜ減ったのか?

写真はイメージ

■急性心筋梗塞(65歳以上)
 マイナス1425人

■心不全(65歳以上)
 マイナス1407人

■脳卒中(65歳以上)
 マイナス1686人

 急性心筋梗塞については、現役世代の死亡が、むしろ若干増えていた。

 新型コロナによって、慢性疾患を抱えた高齢者の多くが受診を控えるようになった。そのため持病を悪化させ、亡くなる人が増えると考えられていたのだが、数字はまったく逆を示している。

■米国では「医源病」で年間25万人が死亡

 そこで思い当たるのが「医原病」だ。不適切な治療や投薬によって患者の健康が害されることを言う。アメリカのジョンズ・ホプキンス大学が行った研究によると、アメリカでは年間に25万人以上が、医原病で亡くなっているという。もっと多いと主張する研究者もいる。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

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