日本でもかなりの人数が亡くなっているのではないかといわれているが、実態は解明されていない。ただ、多種類のクスリを同時に服用するのは危険だという専門家は多い。それぞれのクスリに副作用があるうえ、相互作用によって何が起こるか予測が難しい。3種類以上の併用は避けるべきだという医師や薬剤師もいるほどだ。だが現実には、それ以上のクスリを処方され、毎日飲み続けている高齢者が大勢いる。
しかしコロナ禍の影響で通院できなくなったため、途中でクスリが切れてしまった人が、少なからずいたに違いない。
半ば強制的に、クスリの中断を余儀なくされたわけだが、それによって逆に健康が回復し、このような予期せぬ結果になったのかもしれない。
もちろん単なる推測に過ぎない。しかしそうでないとしたら、なぜこれほど循環器系の死者が減ったのだろうか。詳しい研究を待つことにしたい。
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永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。