免疫の正しい知識

新型コロナの感染や発症を防ぐには“第1の防御壁”自然免疫が重要

(C)日刊ゲンダイ

 自然免疫の防御壁を病原体に突破されると、次に「獲得免疫」が発動する。獲得免疫は、①「液性免疫」と、②「細胞性免疫」に分けられる。

 ①は「抗体」によるシステムで、病原体にさらされることで後天的に作られた抗体がその病原体だけに反応して排除する。一度感染した病原体に対して「記憶」を持つため、再びその病原体をもらっても症状が出ないか、発症しても軽症のまま回復できる。

 ②はリンパ球の一種である「細胞傷害性T細胞」がウイルスに感染した細胞を見つけ出し、細胞ごとウイルスを排除する。

「液性免疫と同じく細胞性免疫も記憶を持ちます。どちらの記憶が優位に働くのかは感染症の種類によって異なり、新型コロナの場合、液性免疫は新たな感染は防ぎますが、感染した後のウイルスの排除に関しては細胞性免疫の方が重要ではないかとみられています。一般的にいわれる『免疫がついた』という状態は『抗体=液性免疫ができた』と考える人が多いのですが、新型コロナは抗体がどれくらいの量があれば効果があるのか、どれくらい持続するのかもわかっていません。だからこそ、まずは第1の防御壁である自然免疫が重要になってきます」

 では、自然免疫を強化するにはどうすればいいのか。次回、詳しく解説してもらう。

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