専門医が教えるアルツハイマー予防で大事な「カキクケコ」

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 ステイホーム時間が増えた今は、複数のタスクを同時進行させる家事全般も、認知症対策に有効だと言います。そしてもう一つ。食事も認知症対策で忘れてはいけないポイント。

「青背の魚に多く含まれているEPA、DHAは、血管老化を防ぐ成分です。また、最近注目されているのは、カマンベールのBDNF上昇効果です」(菅原医師)

 BDNFとは、脳由来神経栄養因子のこと。認知機能との関連が報告されている神経栄養因子で、加齢や認知症で低下すると報告されています。

 東京都健康長寿医療センターらが行った研究では、東京都在住の70歳以上の高齢女性689人のうち軽度認知障害と判断された71人を対象に、カマンベールチーズを食べた群と、プロセスチーズを食べた群とで、血中BDNF濃度の変化を調べました。

 すると、1日2ピース、3カ月間カマンベールチーズを食べた群は、1日2ピース、3カ月間プロセスチーズを食べた群より、血中BDNF濃度の変化が有意に高い値を示しました。

 カマンベールチーズにはタンパク質も豊富。菅原医師の提唱する「カキクケコ」の「コ」実現には、生き生きと活動できるための筋肉も必要です。そういった意味で、カマンベールチーズはおすすめ。おいしく食べて、アルツハイマー病対策に生かしましょう。

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