行為の最中はまれ 「腹上死」は数時間後にやってくる

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 そもそもセックスはどの程度の肉体的負担があるのか?

 ある大学病院から心筋梗塞で退院した患者にホルダー心電図をつけてもらいモニターしたところ、偶然セックス中の記録を得られた10例がある。

 それによると、セックス前は平均80.1/分だった心拍数がセックス最中は平均116/分に達したという。なかにはセックス時の心拍数が日常生活において最も高かったという例もあった。

 また、別の研究ではオルガズム期の血圧上昇は男性の場合は収縮期圧が40から100㎜Hg、拡張期圧が30から80㎜Hgで、女性の場合は、それぞれ30から80、20から40だった。呼吸は40/分を超えたという。

 問題は、中高年男性が気にするほど頻繁に「腹上死」が起きているのか、だ。    

 東京都監察医在職中に500例を超える腹上死に立ち会ったという上野正彦医師らが1963年に書いた、「いわゆる性交死について、日報医誌17」などによると、当時行政解剖により死因が明らかになった5559件のうち、性交死は34件(0.6%)に過ぎず、死因は心臓死が20件、脳出血が14件だった。興味深いのはその多くがセックスしている最中でなく、それが終わって数時間後の就寝中に起きていることだ。

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