新型コロナ対策 手の洗いすぎはブロック機能を低下させる

日常生活ではせっけんと流水でOK(C)日刊ゲンダイ

 病原菌や異常な細胞といった「異物」を認識し、それらを排除して自身の体を守る防御機構が「免疫」だ。免疫は大きく「自然免疫」と「獲得免疫」の2系統に分かれ、さらに2種類ずつが存在する。自然免疫には、①「免疫細胞が関わらない構造的なもの」と、②「免疫細胞によるもの」があり、獲得免疫には、③「液性免疫」(抗体が関与)と、④「細胞性免疫」(細胞傷害性T細胞が関与)という種類がある。

 自然免疫はウイルスや細菌といった病原体に対する第1の防御壁で、①によって病原体の侵入をブロックしたり、侵入されても②の免疫細胞が病原体を食べて排除する。

「自然免疫が突破されると、次により強力な獲得免疫が作動しますが、自然免疫がしっかり機能していれば、獲得免疫の出番は必要ないか、少ないまま感染や発症を防ぐことができます。新型コロナウイルスで重症化するリスクが高い高齢者や基礎疾患がある人は、まずは自然免疫が衰えている場合が多い。ですから、普段から自然免疫の力を高めておくことが大切なのです」

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