新型コロナ対策 手の洗いすぎはブロック機能を低下させる

日常生活ではせっけんと流水でOK(C)日刊ゲンダイ

■皮脂や皮膚の常在菌まで排除してしまう

 自然免疫のうち、免疫細胞が関わらない①は、皮膚、唾液、胃液、粘液、粘膜、繊毛運動、常在菌などが該当する。免疫細胞が関係しないため軽視されがちだが、立派な自然免疫系の一つで、まずは①を整えてウイルスの侵入を防ぐことが重要だという。

「皮膚は、傷がなければほとんどすべての病原体の侵入を完璧に防ぎます。病原体の感染のほとんどが皮膚ではなく気道、目、生殖器などの粘膜を介して起こるのもそのためです。正常な皮膚には、表皮ブドウ球菌やアクネ菌といった常在菌が多く存在し、皮脂や老廃物を食べて脂肪酸を分泌し、皮膚を弱酸性に保って病原体から守っています。しかし、そうした常在菌を過剰に排除すると、皮膚のバリアー機能が低下して感染しやすくなってしまうのです。手洗いや手指の消毒は、接触感染を防ぐために有効ですが、殺菌力の強いせっけんを使った手洗いやアルコール消毒を頻繁にやり過ぎると、皮脂や皮膚の常在菌まで排除してしまったり、手荒れを招くため逆効果になってしまいます」

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