減少傾向にあった喘息が、08年の88・8万人を境に増加傾向に転じた理由を、日本喘息学会理事長の東田有智医師(近大病院病院長)が次のように挙げる。
「添加物がたくさん入っているファストフード、密閉された住居、ペットなど。花粉、ダニ、カビも喘息の原因のアレルゲンになります。平均的な一般家庭のホコリ1グラムの中にダニは1000匹、カビは13万個いるといわれています」
喘息で押さえておきたいことがある。まず、喘息は適切に治療をすればコントロール良好の状態にもっていける。
「ところが、不適切な治療が多い。喘息は1日やめても急には悪くならない。だから患者さんが治療をやめてしまう。また、喘息ならこれくらいの症状が出ても仕方ないと思っている患者さんもいます。コントロール良好というのは、走っても症状が出ない、呼吸機能が正常で増悪もない状態です」(東田医師)