世界初の合剤も登場 増加傾向にある「喘息」治療の最新情報

成人してから再発する人も少なくない(C)日刊ゲンダイ

 次に、成人してから発症するケースがある。

 帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学教授の長瀬洋之医師は「小児喘息の7割は寛解するが、治ったと思っても3~4割は成人で発症する」と指摘する。

 喘息は身体的・精神的にQOL(生活の質)を下げ、労働生産性・活動障害を2倍悪化。しかし、さまざまな治療薬が登場しているにもかかわらず死亡者数は年間1500人を下回っていない。重症に限らず、中等症、軽症でも死に至ることがある。

「軽症でも次の日に重症になるのが喘息なのです」(東田医師)

 前出のように、コントロール良好であれば喘息の症状は出ない。咳、ゼーゼーヒューヒューといった喘鳴、呼吸困難や息苦しさなど呼吸機能の低下が見られたら、速やかに呼吸器内科を受診すべきだ。

 見逃しやすい症状としては「走る、階段や坂道を上がる、大声で笑う、ホコリやたばこの煙を吸い込む、疲労やストレスなどちょっとした刺激で咳き込む」「風邪をひきやすい・長引く」などがある。

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