コロナ第2波に打ち勝つ最新知識

目のコロナ対策<2>マスクが目からの侵入リスクを上げる?

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 今年の冬はマスクで鼻や口を覆うだけでなく、目を守ることも考えた方がいい。新型コロナウイルスは目から侵入する可能性があるからだ。日本眼科医会の学術委員で「清澤眼科医院」(東京・南砂)の清澤源弘院長が言う。

「各国の新型コロナウイルス対策のガイドラインでも目の防御は強調されています。しかも、冬は目が乾燥してドライアイになりやすい。目を守るバリアーの働きをしている涙液層が短時間で破綻してウイルスが侵入しやすいのです」

 とくに気をつけたいのは、オフィスで事務作業をしている人たちだ。ドライアイはパソコン、スマートフォンなど、モニターを見つめる作業を長時間行うことで、症状が生じやすく、暖房などのエアコンの吹き出し口にいる人はそれに拍車がかかるからだ。

「もうひとつ気をつけなければならないのはマスクです。今年の冬はインフルエンザとのダブル感染を気にして夏場以上にマスクをする人が増えると思いますが、それが目の乾燥に拍車をかけて、新型コロナウイルスの目からの侵入のリスクをアップさせることにもなりかねないからです」

 なぜ、マスクをすることが目を乾燥させることにつながるのか?

「カナダの大学の研究者がマスクによる目への刺激と乾燥を“マスク関連ドライアイ”と呼び研究しています。それによると、マスクは、外に飛沫が広がるのを大幅に減らすものの、マスクが顔から少しずれている時は、上向きに息が漏れる可能性が高く、そのことで目の表面に強制的な空気の流れを発生させ、涙の膜の蒸発を促すというのです」

 その結果、すでにドライアイだった患者は、症状が悪化し、高齢者やコンタクトレンズを装着している人、エアコンの効いた環境で長時間デスクワークをしたり、画面を見たりする人たちなどの目の乾きが深刻化するという。

「問題は、ドライアイの人は不快さを解消するために目をこすりたくなるため、指や手に付着した新型コロナウイルスを目に運んでしまう可能性も高くなることです。冬になって気温と湿度が下がるとウイルスの生存期間も長くなるため、夏に比べて感染しやすく、広がりやすくなると考えられるのです」

 では、マスク関連のドライアイを防ぐためにはどうすればいいのか?

「マスクの上側に沿った部分にテープを貼ったり、マスクのワイヤを鼻に沿うように曲げることで、息の上部への漏れをある程度防止することができるのではないでしょうか」

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