コロナ第2波に打ち勝つ最新知識

目のコロナ対策<3>インフルエンザウイルスも目から侵入する

ドライアイ対策が必要
ドライアイ対策が必要

 目を無防備にしないことは、新型コロナウイルスの侵入を防ぐためだけじゃない。インフルエンザの感染リスクも低下させる。

 結果、新型コロナとインフルエンザのダブル感染を阻止することになる。「清澤眼科医院」の清澤源弘院長が言う。

「新型コロナにインフルエンザが同時感染すると、感染力が2倍に高まるとの論文が発表されています。フランスのパスツール研究所らの研究で、欧州各国の新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの共同循環をシミュレーションできるモデルを開発。分析したところ、新型コロナ感染者が他の人に感染させる能力は平均して2人だったのが、インフルエンザとダブル感染するとその感染力が2倍から2・5倍に高まるという結果が出ています。これは査読前の論文ですから参考程度の話ですが、ダブル感染防止はこの冬の大きな課題であり、今年の冬は目を守ることも重要になってきます」

 では、どのようにして目を守ればいいのか?

 まず、人がもともと持っている、目を守るバリアー機能を維持することだ。具体的には目の表面の涙液層を守るためのドライアイ対策が必要となる。

「仕事などでスクリーンなどを凝視すると瞬目回数が減りますから、誰もができることとして時々、目をパチパチさせて、意識的にまばたきの回数を増やしていくのもいいでしょう。部屋が乾燥し過ぎないように、加湿器を置くのもいいでしょう。さらにエアコンの風は目を乾燥させるので、直接当たらないようにすること。防腐剤の入っていない人工涙液タイプの目薬を一日数回差すのも効果的です」

■目薬は使い回しせずまつげに触れないように差す

 ただし目薬は家族であっても使い回しするのは、厳禁だ。

 目薬は各個人の症状によって差すべきものが異なる。子供の多い家庭では子供用の目薬を共用しているケースがあるが、それでは感染を拡大させることになる。

「使用中の点眼液が相当な割合で細菌汚染されていたという研究もあります。目薬を差すときに、目薬の排出口をまつげに触れさせているケースを見かけますが、それではまつげに付着しているかもしれない病原体をノズルに付着させ、薬液自体も汚染して目薬と共に目の中に流し込むことになります。目薬を差すときはまつげに触れないよう、目の表面から3センチ以上離したところから差すようにしてください」

 もちろん、目薬をする前には手を洗うことだ。

 眼鏡をかけている人は手入れをこまめにすることも重要だ。

「眼鏡で新型コロナウイルスの目からの侵入を防げる可能性があるとはいえ、その眼鏡がきちんと手入れされていなければ逆に感染源にならないとも限りません。眼鏡が鼻からずり落ちることが多く、いつも眼鏡を触るという人は、今のうちにずり落ちないよう、眼鏡のフィッティングも眼鏡店で確認してもらうといいでしょう」

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