病気を近づけない体のメンテナンス

腎臓<上>40代から死滅が始まる毛細血管を蘇らせる睡眠法

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「糖尿病の3大合併症である『網膜症』『腎症』『神経障害』は、どれも高血糖によって毛細血管が劣化するのが原因。血液をろ過して体に必要な物を再吸収し、老廃物など不要な物を尿として排泄させる腎臓は、毛細血管のかたまりのような臓器です。CKDを防ぐには、毛細血管の健康をいかに守り、劣化した毛細血管をいかに回復させるかが重要になります」

 つまり、腎臓の働きが良くなるのも悪くなるのも、ひとえに毛細血管の健康状態にかかっているというわけだ。毛細血管は動脈と静脈をつなぐ血管で、全身に網の目のように張り巡らされている。健康な毛細血管の場合、内皮細胞は1000日ほどで新しい細胞に入れ替わる。ところが40代くらいから新陳代謝されずに死滅してしまう内皮細胞が増え、45歳ごろからぐんと少なくなる。60代では、毛細血管の数が20代に比べ4割も減るといわれているという。

 しかし、心配は無用。毛細血管は、何らかの障害を受けて途切れるなどしたときに、別の新しい毛細血管が作られる「血管新生」や「血管修復」が大きな特徴。同じ血管でも動脈と静脈の数は増えることはないが、毛細血管だけは何歳になっても自分で増やすことが可能という。

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