コロナ禍のインフルエンザ対策<下>熱が出たらどうすべきか

熱が出たら早めに医療機関に相談を

「現在、新型コロナを疑う患者さんのPCR検査の検体を採取しているのは、①『保健所』②『帰国者・接触者外来が置かれている医療機関』③『自治体と委託契約を結んでいる医療機関』④『医師会が自治体と設置しているPCRセンター』です。一般のクリニックや病院の外来診療でPCR検査を行っている施設は③に該当します」 なぜ、PCR検査がどこの医療機関でも簡単に受けられないかというと、新型コロナの検査は感染症法に基づく「行政検査」の対象となっているからだ。

 行政検査になると、検査の必要性は保健所が疫学調査の観点から判断する。それを民間検査機関の参入を促し、検査件数を増やすためにPCR検査や抗原検査が保険適用になった経緯がある。それによって医師が必要と判断すれば、保健所を経由せずに民間検査機関に検体の検査を依頼することができるようになったわけだ。

 ③の「委託契約」とは、自治体から行政検査の委託を受けた医療機関ということになる。委託契約を結ぶには、感染防止の設備や対策、普通の患者と新型コロナを疑う発熱患者が一緒にならないように、空間を分けたり、診療時間を分けたりする必要がある。それらの条件を満たす施設でなければ委託契約は結べない。

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