がんと向き合い生きていく

ケンカして「退院」を告げられた膵臓がんの患者の胸の内

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 Cさんは予定の手術が無事に終わって7日後に退院。Aさんの緊急手術では、膵臓がんには手がつけられませんでしたが、腸閉塞の方は腸をつなぐ手術をして腹痛がなくなり、こちらも同じ7日後に退院し、以後は外来通院となりました。

 私は、人生、偶然が重なることもあるのだなと思いました。ひょっとしたら、あのお2人の間には“縁”があるのかもしれません。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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