感染流行当初から若い人では重症化しにくいことが分かっていた。また、軽症や無症状の人からも感染することがあるとも報告されていた。さらに、飛沫や接触のみでなく、広義の空気感染があることも知られていた。従って、発熱した有症者と限られた濃厚接触者を追跡するクラスター対策や有症者のみにPCR検査を限定する感染防護方針に限界があることは予想できたはずである。このことを理解しつつも油断していた欧米では、不顕性感染の急拡散で悲惨な状態となったが、我が国では、徹底したマスク着用や手洗い・消毒といった清潔な生活習慣のおかげで何とかパニック的感染爆発は免れた。
さて、当初からどのような人が重症化するのか、そのリスクについて世界中で研究されてきた。たとえば中国や米国での研究により、高血圧症、糖尿病、肥満、心血管病、腎臓病などが危険因子として報告されてきた。米国疾病対策センター(CDC)の報告では最大の危険因子は年齢で、18~29歳の若い人に比べ、65歳以上では5倍以上の入院率、90倍以上の死亡率であった。
コロナ第2波に打ち勝つ最新知識