コロナ第2波に打ち勝つ最新知識

日本独自データから見る新型コロナ「第1波」「第2波」の実像

持病があると重症化する(写真はエクモ)/(C)共同通信社

 一方、肥満の人は、入院時に症状が重いと34・9%の人がさらに重症化していたが、死亡したのは9・6%、高脂血症の人では、さらに重症化したのは34・4%だったのに対し、死亡は16・1%と、重症化しても、持病のある人に比べて死に至る割合が低くなっていた。

 つまり、(1)肝機能異常、生活習慣病(肥満、高脂血症、高血圧、糖尿病)や心臓血管病などのある人は入院後、重症化する傾向にある。(2)心疾患、慢性肺疾患、脳血管障害、腎機能障害等のある人は死亡する割合が高いが、生活習慣病のみでは死亡リスクに個人差が生じる。(3)重症化因子と死亡因子は異なる可能性がある――ことが明らかになった。=つづく

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東丸貴信

東丸貴信

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

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