コロナ第2波に打ち勝つ最新知識

5つのサイトカインを発見 血液検査で重症化リスクがわかる

コロナウイルス検査(C)ロイター

 研究の対象となったのは軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症の患者28人。血液中に流れる抗体の濃度が時間経過と共にどう変化するかを調べた。一方、58人には感染早期に「CCL17」を測定した。

■感染初期から予測可能

 一連の研究の結果、軽症回復者と重症化患者を分けることが可能な因子として、「CCL17」「IFN―λ3」「CXCL9」「IP―10」「IL―6」が同定されたという。

 とくに重症者のCCL17は、感染初期から数値が基準値よりも低く、その後、重症化するまで低い値が続いたという。一方で、軽症者では健常者とほぼ同じ値だった。残りの4因子は、感染初期では重症者、軽症者にかかわらず違いはなく、重症患者では、重症化する数日前から急激に血中濃度が上昇し、5倍以上に達することがわかった。

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東丸貴信

東丸貴信

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

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