「死ぬまで元気」を目指す

携帯メールの着信音など些細な音が気になるようになったのは?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 聴覚過敏は、必ずしも耳や脳に異常があるわけではなく、疲れやストレスが引き金になることもある。友人は2年前に会社で部署異動があり、人間関係が複雑になったと話していたので、疲れもストレスも大いにありそうだ。ただし、〆谷部長によれば、ストレスが脳に影響する明確なメカニズムは解明されていないという。

 聴覚過敏そのものの治療法はまだ確立していないため、聴覚過敏を引き起こしている疾患がある場合、耳鼻咽喉科や神経内科で原因となる疾患を治療することになる。

 たとえば、てんかんや偏頭痛があると、脳の神経細胞の過剰興奮や脳の過敏さで、音の選択的注意(多くの情報が一度に入ってくるときに、選択的にどれかの刺激に注意を集中すること)ができづらくなる。周囲の音がすべて耳に入って来るので、些細な音を「うるさい」と感じやすくなる。

 また、顔面神経麻痺がある場合は、鼓膜の奥にある音を伝える骨の動きがなくなり、周囲の音が大きく響く。突発性難聴やメニエール病などの内耳性の難聴では、低下した聴力をカバーしようと補充現象が起こり、音が異様に大きく聞こえることもある。

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