紺と黒の区別があいまいになったら… 色覚異常かもしれない

雨粒も見えなくなったら注意(C)日刊ゲンダイ

 もうひとつの理由は加齢とともに光の取り込みを調節する水晶体が黄色く濁るからだ。

「水晶体は生まれたときは無色透明ですが、紫外線などの有害光線から目を守るために、長年浴び続けると白く濁ってきます。これが白内障で、年を取ると誰でも発症します。それを放っておくと黄色から茶色に色がついてきます。着色した水晶体は青い光の透過率が低下するため青が見えづらくなるのです」

 それはフランス印象派の巨匠モネの絵に見ることができる。

「モネは白内障手術を受けてから、色覚の変化が絵に如実に表れました。彼は手術前後に片目だけで描いた作品を残していますが、白内障手術後の目は色彩が鮮やかですが、手術前の目は景色に青みが失われています。濁った水晶体の中では短波長光が吸収されてしまい、赤や緑はよく見えますが、青だけは暗く、見えにくくなる。絵の色彩の変化はその影響でしょう」

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