セックスが痛い

ためらいがちな乳がん手術後の性生活はどうすればいい?

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 10月は乳がん月間です。ピンクリボンキャンペーンなどの名前で検診を呼び掛けたりするのでご存じの方も多いのではないでしょうか。

 国立がん研究センターによると、乳がんは女性のがんの中でトップで、発症者は年間9万1600人。9人に1人は生涯で発症するといわれ、閉経前後から発症率が上がります。年齢が近い友人たちも発症しており、私も他人事ではありません。

 今回はこの月だから考えたい、治療後にためらいがちな性生活についてです。術後の後遺症が落ち着き、元の生活に戻っても、さて性生活はどうしようと悩んでいる人は少なくないでしょう。

 もし自分が「セックスしたいな」「夫(彼氏)の肌のぬくもりをじかに感じたいな」と快楽を得たいと思うなら、セックスを再開することをお勧めします。快楽のある性生活で、つらかった闘病生活のストレスも吹き飛ぶかもしれません。「夫(彼氏)の快楽」ではなく、あくまでも「自分の快楽」がポイントです。

 体に心配があるなら、医師や看護師に相談してください。問題がない場合、まず始めて欲しいのが話し合い。事前に体や心の変化についてパートナーと話し合う時間を持つことが大切です。

 あらかじめ「性器が乾燥する・痛む」などの体の変化や、「乳房は触れない」などの希望や心配事を伝えておいた方が安心度は格段に上がります。2人の快楽になる工夫を、お互いの要望を聞きながら見つけていってください。また、どんな工夫をしても、つらかったり、痛かったりするようであれば、無理せず「しない選択肢」があることを忘れずに。

 ただし、「病気の前からセックスは楽しくなかった・嫌いだった」のであれば、無理をしない。中高年夫婦のセックスは、男性側の一方的な快楽中心になりがち。繰り返しになりますが、「自分の快楽」を大切にしてくださいね。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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