コロナ第2波に打ち勝つ最新知識

マスクはいつまで…個人的ロックダウンをどこまで緩めるか

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 国立国際医療研究センターなどから新型コロナウイルスに関する日本独自の大規模データも公表され、新型ウイルスの実像も徐々に明らかになってきた。

 それに呼応するかのように政府は、禁止していた出入国制限、劇場やイベント会場での人数制限の緩和に踏み切った。そうなると政府が個人に一律に呼びかけてきた「マスク」「外出自粛」「ソーシャルディスタンス」も見直してもよいのではないか。公衆衛生の専門家でもある岩室紳也医師に話を聞いた。

「当然、見直すべきです。新型コロナは感染症です。感染症を防ぐには感染経路を遮断することが重要です。ですから感染経路遮断に必要なマスクは当分、手放せません。ただし、“感染するかもしれない”という場所やイベントを完璧になくすのは無理です。感染機会を減らすことを目的にした外出自粛は、場面によっては見直しが可能だと思います」

 感染機会を減らすために多くの人が控えてきたものの代表といえば「外食」だろう。

「周りの人の飛沫がかかったかもしれない食べ物や、ウイルスが付着したかもしれない手を飲食物やたばこといった口に入れるものを触る直前に洗うことを徹底していれば外食は問題ありません。アクリル板などを設置して、他人の飛沫が自分が食べる料理などに付着しないようにし、食べ物が口に入るまでの管理をしっかりしているお店なら外食をためらう必要はないと思います」

 当然のことだが、自宅で普通に食事している家族が外食時だけアクリル板を使う必要はない。家族で外食する時、家族間での感染は意識しても意味はないと岩室医師は言う。

「入店時に、マスクの着用をお願いするレストランがありますが、席に着いたらマスクを外す。トイレに立つ時はマスクを着用する、でいいと思います」

 ただし、現在は新型コロナが2類相当の感染症に指定されていることから、万一、感染者が出た場合に最も大きなダメージを受けるのがお店である。レストランなどの入店時にマスク着用を変更するためには、2類相当から5類相当に変更するなど規制を緩める必要がある。

 マスク自体、周囲の環境、他の人が食べている料理に飛沫をかけない咳エチケットを守っていれば基本的に必要ない。

「ですから街中では、わざわざマスクをする必要はないと思います。公共交通機関や図書館などの公共施設や商業施設などに入る人は別ですが、自転車に乗っている人も咳き込んでいなければマスクは必要ありません」

 事実、感染抑制に成功している台湾では公共交通機関や公共の建物に入る以外、街中でマスクをしている人はほとんどいない。

 換気についても考え直す必要があるという。

「冬の寒い時期に戸や窓を開けっ放しにするのは現実的ではありません。大事なのはエアロゾルに含まれたウイルスが長時間漂うのを避けるため、室内の空気を滞留させず、流れをつくることです。そのためには換気扇が動いているところまで空気を流せばよいのです。サーキュレーターなどを使って室内の空気を動かす工夫をして、換気扇を回せばいいのです」

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