モノが突然見えづらくて…高血圧なら目の動脈硬化に要注意

(C)simonapilolla/iStock

「網膜浮腫は、静脈が詰まって1~2週間ほどで出現します。詰まった静脈が網膜のどの部位にあるかで症状やその後の視力の回復が異なってくるものの、網膜浮腫が長く続くと、治療をしても視力が十分に回復しない可能性が高くなるのです」

 治療のポイントは、主に2つある。1つは、網膜浮腫、特に網膜の中央にある「黄斑部」の浮腫(黄斑浮腫)の持続を極力短くすることだ。黄斑部は「見え方」に最も関わりが強く、浮腫の持続の抑制が、視力の回復度合いを向上させる。

「黄斑浮腫へは、抗VEGF薬という浮腫を改善する薬を眼球に注射します。大半は2~3カ月で再発するので、1~2年間、定期的に注射が必要になります」

 眼球に注射、といっても痛みはなく、負担が少ない治療だ。

 網膜静脈閉塞症では、広い範囲の網膜で血流障害が起こると網膜が酸素不足となり、網膜の表面に新しい血管(新生血管)が発生することがある。新生血管は細くてもろいので出血しやすく、眼球内に大量に出血すると著しい視力低下を招く。そこで新生血管の抑制が、網膜静脈閉塞症の治療のもう1つのポイントになる。

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