コロナ第2波に打ち勝つ最新知識

指数関数的に増える驚異 いつでもロックダウンに戻れる体制を

かつては空港も閑散としていたが…(C)日刊ゲンダイ

 実はこの毒性の弱さが新型コロナを厄介者にする原因になっている。

「インフルエンザウイルスのように毒性が強ければ、体内に侵入するとすぐに、自然免疫が迎え撃ち、発熱、鼻水、咳、筋肉痛などの免疫反応が出ます。数日後には獲得免疫が抗体を作り、より強力に攻撃してウイルスを排除します」

 ところが、新型コロナは新しく毒性が弱いため、すぐに獲得免疫が出動しない。そのうちに体内にウイルスが広がり、ある日突然、牙をむく。

「通常、細胞がウイルスに感染すると、STAT1と呼ばれるタンパク質が細胞核に入って自然免疫の一つであるインターフェロンを作ります。ところが新型コロナウイルスが感染した細胞はORF6というタンパク質を作りこれを阻害する。その結果、毒性が弱くても人体内で感染拡大できるのです。一方で獲得免疫が発動しにくいので抗体もできにくく、ワクチンも作りにくいのです」

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