緑茶がうつ病を吹き飛ばし睡眠や記憶を改善 専門家が解説

心と体に良い作用をもたらす

 テアニンになぜ、こうした薬効があるのか。

 脳にある神経細胞のおよそ7割がグルタミン酸作動性神経である。テアニンは、グルタミン酸に類似した構造を持つことから、脳血管血液関門を通過した同成分は、グルタミン酸受容体に弱いながらも結合する。

「つまり弱い結合であっても、種々の効果があることが示唆されます。実際、テアニンには、ドーパミン(中枢神経系に存在する伝達物質)の放出を増加させ、抑制性神経伝達物質であるGABA(アミノ酸の一種)を増やす、記憶や学習に重要な脳由来神経栄養因子(BDNF)を増やすといった薬理作用も報告されています」

 テアニンのように優れた薬効成分を持つ緑茶には、他にポリフェノールの一種である「カテキン」も含まれている。かつてタンニンとも呼ばれた渋味成分のカテキンは、体脂肪低減効果(人間総合科学大学人間科学部・時光一郎教授)や、抗がん作用(静岡県立大学・伊勢村護客員教授)など、各氏による研究論文も多い。

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