セックスが痛い

「ジェンダー・バイアス」を捨てたら女も男も自由になれる

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 最近、「ジェンダー・バイアス」という言葉をよく耳にします。その意味は、社会でつくられた男女の役割。たとえば男性は外で働き、女性は家事など、何となくそうあるべきと認識していることです。

 ジェンダー・バイアスの縛りがなければ、男女ともにもっと伸び伸びと自由に生きられるのにな、と思います。男女間のセックスだって、そう。映画やドラマ、AVに出てくるセックスシーンの多くは男性がリードしており、それをお手本としたセックスがほとんどでしょう。コンドームや潤滑ゼリーの購入も男性。でも、男性だって、リードされたい人もいるし、たまには相手にコンドームやローションを用意してほしいと思う人がいて自然ではないでしょうか。

 また、女性の中には、セックスに積極的になるのははしたないというバイアスがかかって、積極的になりたいけど、できない人もいるようです。

 セックスで痛いときは、痛い女性が主体的に自分にあった素材のコンドームを選んだり、成分を吟味して潤滑ゼリーを買う方が、理にかなっています。痛くない側(一般的に男性)は、痛い側に聞かないと分からないので、痛みを感じている女性が主導的になった方がスムーズです。

 セックスにおけるカップル間のジェンダー・バイアスを捨ててみませんか? 男性がリードしなければいけないルールなど本来存在しないのですから、女性がセックスで痛いというなら、女性側がコンドームや潤滑ゼリーを用意する。痛くない体位や挿入角度、触れる場所などを指定する。

 リード慣れしていないと、最初は男性のサポートが必要かもしれません。でもリードされる喜びを、セックスにおけるジェンダー・バイアスのせいで知らなかったとしたら、もったいない。この機会に楽しみながら、女性側の痛みも改善しましょう!

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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