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欧州は1日15万人の新規感染 PCR検査は受けるべきなのか?

PCR検査は無意味ではない(C)ゲッティ=共同

 まずPCR検査は遺伝子増幅なのですが、初期の内外のPCRプローブ(ある物質を検出するために用いる物質)には信頼性に問題がありました。

 しかし、きちんと検体が採取され、米国疾病対策センターのプローブのような信頼できるものを使用できれば、精度は非常に高いのです。さらに安全な唾液での検体採取で感染力のある人の診断ができます。現在の感染状況の把握ができない抗体検査よりはるかに有用です。

 PCR検査の有用性は世界的に認められていますが、検体の取り方や感染時期の影響があるので、必ずしも感染者すべてが陽性になるわけではありません。

 機械の自動診断のみを信頼せず、肺のCT検査、症状や病歴、血液検査などを組み合わせて総合的に確定診断することが国際的に推奨されています。

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東丸貴信

東丸貴信

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

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