役に立つオモシロ医学論文

5年間における死亡率を比較 運動をしても長生きできない?

写真はイメージ

 その結果、5年間における死亡率は、運動をさせたグループ(強めの運動と中等度の運動の合計)で4・5%、推奨事項の助言グループで4・7%と、明確な差を認めませんでした。強めの運動、中等度の運動、別々に解析しても、統計的に有意な差は認められませんでした。

 運動をすることによる健康への影響は、私たちが思うほど大きなものではないのかもしれません。高齢者に限りませんが、健康のために運動をするというよりは、生活の楽しみのために運動をすることが大切なのでしょう。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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