コロナ第2波に打ち勝つ最新知識

若い人は大量のウイルスに暴露しなければ症状は出にくいが…

コロナの治療にあたる医療スタッフ(C)新華社=共同

 発症後2週間以後もPCR検査で検出できる残存ウイルスはほとんど死骸であり、活性はないとの見方もある。しかし、一部の症例でこのウイルスが体内に1カ月から2カ月余り残り得ることは、われわれのグループの検査室での追跡や、各国からの研究報告から分かっている。再活性化への注意も必要だ。

 新型コロナウイルスは免疫細胞にも感染し、抵抗を避けながら慢性炎症を引き起こしている可能性がある。欧米での川崎病類似症例や日本での大動脈炎の症例が報告されたが、今まで原因が特定できなかった慢性の心臓血管病や脳神経病、慢性疲労症などにこの新型コロナや類似したウイルス感染が部分的に関わっている可能性は否定できない。

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東丸貴信

東丸貴信

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

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