セックスが痛い

妊娠してしまうかも…不安がセックスの時の痛みを招く

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「妊娠してしまうかも」という不安があると、セックスが怖くなって力が入り、痛みが生じる場合があります。

 男性は、想像するのが難しいかもしれません。たとえば望んでいない妊娠を、病気のリスクに置き換えるとどうでしょう? 健康を害するセックスは怖いし、不安になるのではないでしょうか。

 妊娠の心配は、若い人だけの問題ではありません。閉経に向かう40代は月経周期が不安定。数カ月間月経が来ないから「もう閉経したかな」なんて思い、避妊なしでセックスしたら妊娠――といったケースも、少なからず耳にします。

 しかしもし、妊娠したかもしれないときに服用すると妊娠を回避できる緊急避妊薬が手軽に使えていたらどうでしょうか? 「アフターピル(緊急避妊薬)を必要とするすべての女性に届けたい! 緊急避妊薬のOTC(処方箋なしで、ドラッグストアで買える市販薬)化の運動」が10月現在、10万人を超える署名を集めています。

 OTC化が必要なのは、性行為から72時間以内に服用が必須だからです。現段階では医師の処方箋が必要で、どの婦人科にも緊急避妊薬があるわけではありません。土日に診察できる医療機関も少ない。せっかくの緊急避妊薬の役割を十分に果たせているとは言えません。

 日本家族計画協会のHPによるとコンドームの避妊成功率は82%と決して高くありません。私自身もパートナーのコンドームが知らないうちに外れていた経験は一度や二度ではありません。

 セックスは妊娠を望むとき以外は、より確実な避妊で安心して誰もが楽しみたいもの。妊娠の心配がないように女性側が普段からより確実に避妊できる経口避妊薬(ピル)か、IUD/IUS(子宮内避妊用具/システム)が必要ですが、価格は手ごろとは言えないのが現状です。

 またWHOが承認する注射、シール、インプラントタイプなどはまだ国内にはありません。こういった背景から緊急避妊薬に10万を超える署名が集まっているのでしょう。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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