独白 愉快な“病人”たち

トイレは1日40回 俳優・井澤こへ蔵さん潰瘍性大腸炎を語る

井澤こへ蔵さん(提供写真)

 処方されたのはアサコールという薬で、「1日9錠を一生お願いします」と言われました。「さすがに一生は嫌だな」と思いながら仕方なく飲み始めると、意外にも早く血便が落ち着いたので、その後3~4カ月かけて薬を徐々に減らしていき、勝手に終了してしまいました。

 というのも、血便の原因に明確な心当たりがあったからです。じつは大学3年生に入り、単位もほとんど取得していたので、自由な時間ができ、連日夜遊びに興じていました。あの血便は、家にも帰らず昼夜逆転の生活にどっぷりつかった末の結果で、きっと食事と睡眠と運動に配慮した規則正しい生活をすれば改善すると思いました。案の定、生活を改め、薬を飲まないまま10カ月が順調に過ぎていき、もうすっかり治ったような気になっていました。

 でも、その夏にちょっと羽目を外して友人とバーベキュー三昧で過ごしたら、あっという間に逆戻り。下痢になり、血が混じり、40度の熱が1週間も下がらない……。

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