独白 愉快な“病人”たち

トイレは1日40回 俳優・井澤こへ蔵さん潰瘍性大腸炎を語る

井澤こへ蔵さん(提供写真)

 母親にその本を買ってきてもらい、読みながら「この先生に診てもらいたい!」と思いました。どこの病院だろうとプロフィルを見ると、奇跡的に僕が住んでいた和歌山の、しかも家から遠くない馴染みのある場所でした。「これは運命だ」と思いましたね。

 退院してすぐに受診したのは言うまでもありません。そこはペインクリニックで、初めの1カ月ぐらいは漢方薬をすすめられて飲みましたが、主な治療は首の付け根に打つ星状神経節ブロック注射と光線の照射でした。交感神経の興奮を抑え、末梢血管の血流が良くなり、自然治癒力がグッと上がるというのです。ほかにも、呼吸法やマイナスイオンのベッドなど、いろいろな方法を駆使して副交感神経を優位(リラックス)にしていく治療法が僕には良かったみたいです。

 何より信頼できたのは、先生がめちゃくちゃしゃべってくれること。先生も同じ病気を経験しているだけに親身になってくれたので、それだけでも治る希望が持てました。今も3~4カ月に1回は通っています。

4 / 5 ページ

関連記事